カルチャーショック

優しくしてくれる人とも少しもうまく話せない。相手はすごく優しい気持ちでいてくれていたんだろうな、なんでも話せば聞いてくれたのかもしれないな、って後で気づくことばかり、後悔するばかり、反省してもうまくできないことばかりで。

今日は嫌な人間に、バイト先の本当に嫌なヤツ、人格がもう本当におかしいやつ、破壊されてるやつ、自己愛性人格障害者、モラルハラスメントしてくるやつ、近くにいると心臓がバクバクしてくるやつ、そいつに朝一でキレられて詰め寄られてマジギレしたイっちゃってる目で怒鳴られて。わけのわからないことで。そんなきれるようなことじゃないことで。

夜になったら思いがけず人に誘ってもらってご飯を食べさせてもらって。

バイトの気持ち悪さとつらさと暴力と、その後の外の賢くてまともでやさしい人たちとの関わりとが、まるで別世界を行き来するようで、毎度カルチャーショックを受ける。そのたびに信じられない気持ちになる。

ああ本当に今日は夜にごはんを奢ってもらって、もう二度とないかもしれない機会だったのに。少しもうまく話せなかった。ああ。駄目だ、黙っているだけじゃだめなんだ、ああ本当に泣きそうなくらいだめだった。もっと特別で大切な話し合いにできたはずなんだ。それだけは確信している。

いつも相手が恐ろしくて。話せない。お前の話なんか聞きたくねえよって言われそうで、思われそうで。興味ねえよって。つまんねえよ退屈だよって。どうでもない話するなよって。

ああ本当に話したいこと、言いたいことがあったのに言えなかった。

相手からすれば言われなければ少しもわからないのに。言えない。話したらわかってもらえたかもしれないのに、もっと深い会話が、思い出に残るような会話ができたかもしれないのに。

今日もう少しもうまく話せなかったから、もうきっとだめだ。機会がなくなった。もう話すことはないなって思われた。

自分から話すってことがあまりにも苦しくてドキドキしてできないんだ。恥ずかしくて。とんちんかんで的外れなことを言ってしまいそうだから。